フリーソフトと一緒に気づかず迷惑プログラムを入れてしまう

去年 (2018 年) のある日、いつものように私の家にあるパソコンで Internet Explorer を起動すると、スタートページが勝手に下の画像のような Ask.com という謎のサイトに変更されていました。

私は経験的に、これはフリーソフトと一緒にインストールされたりする、いわゆる迷惑プログラム (迷惑ソフト、不要プログラム) が入ったんやろなと思いました。

Ask.com

試しに Ask.com と Google 検索して調べると、予想通りで、Ask ツールバーというプログラムにスタートページが勝手に Ask.com に書き換えられていたことがに分かりました。

下の画像のように、ask.com の検索候補に削除、アンインストール、ウイルスとかが出てきますし、削除方法の説明ページが上位に来るので、私の家のパソコンのように、知らないうちにインストールされて、削除方法を検索する人が多いのだと思います。

Ask.comの検索結果

Ask.com とは何か?

Ask.com - Wikipedia

Wikipediaによると、検索エンジンやツールバーやQ&Aサイトを提供するポータルサイトで、インターネットの黎明期から存在するようです。

Tinderやペアーズやカップルズを運営するエウレカなど 150 ものブランドを傘下に置く、アメリカの IAC グループの傘下の Ask.com という企業が運営しているサイトで、AskツールバーはAsk.comが作ったプログラムです。

なぜ Ask ツールバーが知らないうちに入ったのか?

原因は主に Java のインストールやアップデートで、こんな感じ (NAVER まとめに飛びます)(リンク切れ) に Ask ツールバーのインストールを勧めてくることがあります。表示が目立ちにくいので気づきにくいです。

この時、Ask ツールバーのインストールの欄のチェックを外さないと Ask ツールバーがインストールされ、ブラウザのスタートページが勝手にAsk.comに変えられてしまうのです。このようにブラウザのスタートページを勝手に変えるプログラムはブラウザハイジャッカーと呼ばれます。

又、フリーソフトのインストールでも、Java のアップデートと同様に、Ask ツールバーのインストールを勧めてくることがあります。この時も Ask ツールバーのチェックを外さないと Ask ツールバーがインストールされてしまいます。

Ask ツールバーはウイルスか?

Ask ツールバーは比較的大手の企業が開発しているため、個人情報やデータを盗んで悪用したりするウイルスではないと考えられます。従って、削除しなくても大丈夫だと考えられます。やっていることはウイルスに近いですけど。

Ask ツールバーの削除方法

コントロールパネル

パソコンのコントロールパネルを開いて、上の画像のようにプログラム一覧を選択します。そして Ask Toolbar や Teoma の文字列を含むプログラムをアンインストールします。

次にブラウザのスタートページを ask.com から元のページ (google.co.jp や yahoo.co.jp 等)に変更します。

家のパソコンでも、Ask ツールバーを削除して、そしてブラウザのスタートページを元に戻しました。

なぜこんなプログラムのインストールを勧めてくるのか?

Ask ツールバーなどのプログラムを一緒にインストールする機能 (「広告」) を付けることで、ソフトの制作会社が広告収入を得ることができるからだと考えられます。

フリーソフトの開発には基本的にお金がかかる(かからない場合もある)ので、インストールが無料でも、基本的には他に収入源があるはずです(例外:ボランティア, 趣味)。例として広告収入や有料プランなどがあります。

フリーソフトには、提供オプションとして目立ちにくい位置にこのような迷惑プログラムが付いていることがあるので、提供オプションのチェックを外すようにして下さい。内容をよく見ずに次へを連打するのは避けたほうが良いです。

Ask ツールバー以外の迷惑プログラムの例

迷惑プログラムは Ask ツールバーだけでなく、他にも沢山あります。ここでは特に有名な迷惑プログラムの例をあげていきます。大企業の怪しくないものもありますが、どれもやっていることはウイルスみたいなものです。

そしてフリーソフトのインストール時にインストールを勧めてくることが多いものです。インストール欄のチェックを外せばインストールを回避できます。インストールしてしまっても、多くはコントロールパネルのプログラム一覧から探せば削除できます

hao123 マイスタートページ

HAO123

中国の大手 IT 企業のバイドゥが作ったプログラムで、主にフリーソフトに付いてインストールされてしまうことが多いです。

スタートページを上の画像のように、勝手に hao123 に変えたり、検索窓まで hao123 に変えてしまうブラウザハイジャッカーです。コントロールパネルで hao123 の文字があるプログラムを削除して、そしてブラウザのスタートページを元に戻せば削除できます。

hao123 自体はバイドゥ公式のポータルサイトで怪しいものではなく、hao123 マイスタートページもバイドゥの正式なもので怪しいものではありません。

Mcafee Security Scan Plus、Mcafee Safe Connect

Mcafee Security Scan Plus

どちらもアメリカのあの有名な大手の、セキュリティーソフトを作っているマカフィーが作ったプログラムです。私の家のパソコンのセキュリティーソフトも全部マカフィーです。

ここで、問題なのはセキュリティーソフトではなく、Mcafee Security Scan Plus と Mcafee Safe Connect の方です。

Mcafee Security Scan Plus とはセキュリティーソフトの保護状態を検査するツールで、Mcafee Safe Connect は Web ブラウザの通信を保護する VPN 構築ツールです。これ自体はマカフィーの正式なもので、特に怪しいものではありません。

しかし、厄介なのは上の画像のように、主に Adobe Reader や Adobe Flash Player に付属しているところです。インストール時に、マカフィーの所のチェックを外さないと Mcafee Security Scan Plus と Mcafee Safe Connect が一緒にインストールされてしまいます。

そして、Mcafee Security Scan Plus は定期的にスキャンを行い、その結果パソコンの保護状態に問題があると判断すると、危険であると表示して、マカフィーの製品を購入するように煽ってきます。つまり、これはマカフィーの製品の広告であると思われます。

コントロールパネルのプログラム一覧から Mcafee Security Scan Plus や Mcafee Safe Connect を探せば削除できます。

JWord プラグイン(2019 年 7 月サービス終了)

JWord プラグインは、GMO クリック証券やお名前.com などで知られる GMO インターネット株式会社が開発していたInternet Explorer用のプラグインで、インストールするとこんな感じ(freesoft100 のサイトに飛びます)にスタートページが E START に設定され、JWord の検索バーが表示され、アドレスバーで検索できるようになるなどの機能が追加されます。

JWordの検索は、検索するのが予測される単語を企業に買ってもらって、検索されたらその企業のサイトが広告として一番上に出るようになっています。一社独占で単語を買うとその単語を検索しただけでその企業のサイトに飛ばされます。検索機能そのものが広告みたいなものですね。

これもフリーソフトと一緒にインストールされてしまうことが多いプログラムです。私の家で 7 年くらい前まで使っていたパソコンにもこれがいつの間にか入っていました。

これはJWord公式ページ、又はコントロールパネルのプログラム一覧から JWord の文字列のあるプログラムを探せば削除できます。

その他の迷惑プログラム

以下は怪しい会社の迷惑プログラムの例です。全てブラウザハイジャッカーです。

  • Babylon ツールバー...イスラエルの翻訳ソフトの開発をしている Babylon が作ったプログラム。
  • Delta ツールバー...上と同じくBabylonが作ったプログラム
  • Easylife App Search
  • Yontoo

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