なので、1文字変えたり、一般名詞にしないといけない。
例えば「ミ○キー」や「某有名な黒鼠」など。
という話をどこかで聞いたことがあります。
ネットで検索すると質問サイトにもそのような回答が確かにあります。
Q: 漫画とかで大学の名前が出てくる時がありますけど
どうして現実にある大学の名前を使わないんでしょうか?
A: 世で使われている名称には「登録商標」というものがあり、許可なく勝手に使ってはいけないのです。
大学名に限らず、実在の企業名やお菓子などの商品名も勝手に使ってはいけないものです。
「何故?」というか、昔からそのように決まっているので・・・
勝手に実在の名前を使って、その企業(学校)のイメージアップやダウンにつながる可能性もありますので。
それが社会のルールというか決まりごととして守られています。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12111565492より
しかし、それはおかしいのではと感じていました。
商標権や著作権の侵害は本当か
商標権や著作権について偶然知る機会があり、小説などに商品名や企業名を書いてはいけないというのは誤解だと確証を持ちました。
商標権について
商標権は簡単に言うと、名称やロゴを商品やサービスのトレードマークとして独占利用できる権利です。
厳密に言うともっと複雑ですが省略します。
例えば小説内に「彼はファミマでジュースを買った。」みたいな文があったとして、この小説はあの有名なコンビニのファミリーマートが発行したと思う人はいないですよね。
なので、小説や漫画の中に商標登録された単語、例えば商品名や企業名があっても商標権侵害になりません。
ただ、タイトルの場合はそれが発行者を示すわけではないので、侵害にならないことが多いですが、微妙な面があります。
いずれにせよ、小説や漫画の中で商品名や企業名を書いたら商標権侵害というのは誤りです。
著作権について
短い単語にはそもそも著作権は認められません。
例えばディズニーがどれだけ著作権にうるさくても「ミッキーマウス」という単語に著作権はありません。
なので、小説内にテキストでミッキーマウスを登場させても著作権侵害にはなりません。
テキストである限りどれだけでも...。
ミッキーマウス ミッキーマウス
ミッキーマウス ミッキーマウス
ミッキーマウス ミッキーマウス
ミッキーマウス ミッキーマウス
ミッキーマウス ミッキーマウス
ミッキーマウス ミッキーマウス
ミッキーマウス ミッキーマウス
ミッキーマウス ミッキーマウス
俳句などになると著作権の保護範囲内に入りますが。
要するに、商品名や企業名に著作権はありません。
著作権侵害なら憲法にある表現の自由が崩壊してしまうので有り得ません。
他の法的問題
実在の商品や企業を貶める内容の描写があると、信用毀損、名誉毀損、業務妨害などが有り得ます。
架空の話である限りはリスクはあまり高くないでしょうが、実在の企業などを貶める描写は避けた方が無難だとは思います。
基本的に法的問題はない
ここまでまとめると、
ということです。
それを貶めるような内容でない限りは。
企業名や商品名をそのまま出さない理由
では、なぜ法的問題はないのにそのまま出さない事例があるのでしょうか。
ミッ○ーのように一部を伏せ字にしたり、LINE→LIME のようにもじったりと。
出版業界の仕事経験がないので分かりませんが、作者あるいは出版社に企業などからクレームが来ると厄介だと思っているのだと推測しています。
そのような描写は嫌だとか、会社の知名度にただ乗りするなとか。
法的問題がなくても揉め事を起こしたくないということです。
実際にそのような事例があったのかは分かりませんけど。
小説や漫画で商品名や企業名はどうすべきか
商品名や企業名の扱いは結局、作者自身が自由に決めればいいと思います。
クレームのリスクを考慮して実在のものを一切出さなくても良いですし、逆に堂々と実在のものを使っても構わないと思います。
ただ、商標権侵害だ著作権侵害だというのは誤解なので惑わされないように注意です。
「吉○家」「ファ○マ」「モ○スト」など無意味な伏せ字について