なぜ撮り鉄は同じ構図・同じ場所で鉄道写真を撮るのか

南海6000系 展示

撮り鉄」とは鉄道を題材とした写真を撮るのが趣味の人のことです。

近年はマスコミでも「撮り鉄」という言葉が使われ、臨時列車やラストランなどに集結する様子、また線路侵入などのトラブルがよく報じられるようになりました。

そして、鉄道ファンでない一般人にも知られるようになりました。

同じ構図・同じ場所?

臨時列車、引退が近い車両、ラストランなどの列車 (ネタ列車) が走る時、撮り鉄の来る数が急増し、ホームの先端 (エキセン) や踏切などのポイントに集中します。

これについて、撮り鉄はなぜ集団で同じ構図・同じ場所で撮るのかという疑問を持っている人がいます。

確かにそんな趣味のない人から見れば不思議に思ってもおかしくないと思います。

この疑問について私なりに答えたいと思います。

編成写真と風景写真の違い

この疑問を解決するには鉄道の「編成写真」と「風景写真」について理解する必要があります。

南海特急サザン 復刻 編成
編成写真の例

編成写真とは鉄道車両全体を大きく写した写真のことです。

車両に重点を置いた写真で、車両ができるだけ明るく写っていて、障害物ができるだけ重なっていない写真が良いとされます

南海 特急サザン 海 神戸
風景写真の例

風景写真とは鉄道とそれ以外の風景も題材とした写真です。

風景写真は車両に重点を置くとは限らないため、車両が小さく写っていたり、時には車両がない鉄道写真もあったり多種多様です。

撮り鉄と鉄道写真家の違い

撮りたい写真 撮り鉄→編成写真 鉄道写真家→風景写真 一般人が好む写真→風景写真

撮り鉄は車両に重点を置く人が多いため、「編成写真」を撮ることが多いです。

一方で、鉄道写真家は車両より風景に重点を置くことが多いので「風景写真」を撮ることが多いです。

もちろん、鉄道写真家が編成写真を撮るなど例外はあります。

撮り鉄ではない一般人に好まれやすい鉄道写真は「風景写真」であり、撮り鉄と一般人の感覚は大きく異なるのです。

理由: 好条件の撮影地や構図が限られるから

南海8000系 粉浜
撮り鉄が集まりやすい有名撮影地の例 (南海本線 粉浜駅)※1

線路の横には建物や柵など鉄道写真を撮る上で邪魔になりやすい物がとても多いです。

撮り鉄の多くは編成写真を撮るのを好みます。

良い編成写真を撮るには車両全体を写せる場所に行く必要があります。

車両全体を写せる場所はエキセン、踏切、河川、田園地帯などです。

これだけで場所がかなり絞られます。

車両が明るく写るなど他の都合を考慮すると、撮影地はさらに限られてきます。

よって、ネタ列車の運行などで撮り鉄が一気に来ると、その限られた撮影地に撮り鉄が集まります。

すると、同じ撮影地で複数人の撮り鉄が写真を撮ることになり、皆同じ構図の写真になるのです。

これが同じ構図・同じ場所の理由です。

同じ写真を撮りたいのではないですが、結果的に同じような写真になってしまいます。

有名撮影地とは

良い鉄道写真が撮れると撮り鉄達によく認知されている撮影地は「有名撮影地」と呼ばれ、撮り鉄がより集まりやすくなります。

上の写真の撮影地はホームが開放的で綺麗な編成写真が撮れるため有名撮影地となっています。

他人の写真で満足できないのか?

ネタ列車を同じ構図・同じ場所で他人とほぼ同じ写真をわざわざ撮るなら、他人がそこで撮った写真で満足できないのかという疑問を持つ人もいます。

なるほど、鋭い疑問ですね。

他人の写真で満足できない理由は、写真を自分のものにしたいからです。

他人の写真とほぼ同じでも自分で撮ることで満足感を得ています

他人の写真はどうやっても他人のものにすぎないですから。

コラム: なぜ鉄道を使わず車で撮影地に行く撮り鉄がいるの?

JR和歌山線 227系 紀ノ川橋梁

鉄道が好きなのになぜ撮影地に車で行く撮り鉄がいるの?という疑問を持っている人もいます。

それは、撮り鉄は鉄道に「乗る」目的ではなく、「撮る」目的で来るからだと思います。

撮り鉄は三脚など大きい機材を持って行く人も結構いるので、機材を運ぶのは車の方が向いています。

また、撮影地の最寄りの鉄道路線や路線バスの本数が少なかったり、撮影地が駅から遠かったり、移動の自由が効かない場合もあります。

列車が 1 日数本しかない鉄道路線もあります。

そのような場合、車の方が早く移動できて移動の自由が効きます。

列車を追いかけて撮影する人も、先回りするため車を使うことが多いと思われます。

撮り鉄が車で撮影地に行くこと自体は問題ないと思いますが、通行の邪魔になるなど問題のある場所を避けて車を止めるべきだと思います。

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