日本では意外と知られていませんが、Googleは「Blogger」という無料ブログサービスを運営しています。
全ての機能が無料、強制広告がない、ブログデザインの自由度が非常に高いなどが魅力です。
広告の設置に対応しており、ブログのドメインは「○○○○.blogspot.com」か独自ドメインを選択できます。
しかし、GoogleのBloggerがスパムブログの大量生産に悪用されているという状況を知りました。
一体、何の目的でどんなスパムブログが量産されているのか説明します。
Bloggerのスパムブログの特徴
ネット上の画像を大量転載
Bloggerのスパムブログは無数に存在し、デザインも様々ですが、ほぼ全てに共通する特徴があります。
どれもネット上から転載した画像を大量に並べただけの投稿を量産しているのです。
画像は転載元のサイトから直リンクで表示しています。
投稿のタイトルは単語の羅列です。
転載画像の上にはネット上からコピーした文章や単語が羅列され、画像の下には「Download」と「Print」のボタンが付いています。
それらのボタンをクリックすると、よく分からない海外のリンク生成サイトに飛ばされます。
ダウンロードのためわざわざ外部サイトに飛ばす意味がわからん。
フリー素材サイトに見せかける
上のスクショにあるように、一見フリー素材サイトであるかのように見せかけています。
ネット上の画像を転載しただけなのに。
Google検索で「○○ 写真 フリー」「○○ イラスト 無料」などと検索すると普通に出現します。
タイトルが単語の羅列でドメインが○○○○.blogspot.comになっています。
これをスパムと見抜けず、フリー素材サイトと勘違いして騙されてしまう人は多そうです。
詐欺広告への誘導
Bloggerのスパムブログには閲覧者を詐欺広告へ誘導する仕掛けがあります。
以下のような手段が利用されています。
- 全面に透明な広告リンクを設置する
- 広告へ強制リダイレクトする
- 「セキュリティを強化しましょう」など広告ポップアップを表示する
これらの手段で偽セキュリティー警告、スパム通知の許可サイト、カレンダースパム追加サイト、フィッシングサイトなど別の悪質サイトへ誘導します。
これらの悪質サイトについてはこちらの記事をご覧下さい。
「PCはダイニバンクトロイアに感染しています」などと表示する偽警告について
「ロボットではない場合は[許可]をクリックします 」などと通知許可を求めるスパムについて
1アカウントで複数のスパムブログを作っている
スパムブログのプロフィールを見ると、1アカウントでいくつものブログを作っているのが分かります。
どれを見ても同様の画像転載スパムブログです。
自己紹介の説明文が全くありません。
そして、スパムブログを作るためのアカウントが無数に作られています。
スパムブログの目的
なぜ、このようなスパムブログが量産されるのでしょうか。
その理由は2つ考えられます。1つ目が広告収入を得るため、2つ目が手間をかけずに運用するためです。
Bloggerは無料で、デザインの自由度が高く、広告の設置ができるため、スパムブログに悪用されやすいのでしょう。
おそらく、ブログ運用の手間を最小限に、かつ検索に引っかかりやすくするため、何かの自動ツールでネット上の画像を収集し、自動で投稿を作成しています。
スパムブログをGoogleに通報する
Bloggerには公式の通報フォームが設置されており、ここからスパムブログを通報できます。
Blogger ポリシー違反の疑いを報告Bloggerコンテンツポリシーには次の記述があるので、当然ながらスパムブログはこれに引っかかります。
スパム行為の例として、...(略)...、収益を上げたり個人的な利益を得たりすることが主な目的で別ソースから既存のコンテンツを抽出する、...(略)...などがあります。Blogger コンテンツ ポリシー(https://www.blogger.com/content.g)より
Bloggerのスパムブログは見つけ次第ここから通報しています。
検索結果に表示された Blogger のスパムブログを確認すると削除済のものも多いため、Google が対応して削除していると思われます。
有り難いことです。
他のサービスでもスパムブログが
画像転載をするスパムブログはBloggerだけではありません。
「Firebase App」(Google)や「Render」というウェブホスティングサービスでもBloggerと同様のスパムブログが量産されていました。
このうち、Renderのスパムブログは2021年8月時点で全て削除されていました。
Blogger を悪用したスパムブログの URL をこちらのリストに掲載しています。
悪質サイトの URL 一覧