
以前、質問サイトを装ってダウンロードへ誘導する偽サイトを発見しましたが、今度は新たに日本経済新聞(日経新聞)の偽サイトを発見しました。
一見、本物の日経新聞の記事かのように見えます。私も一瞬騙されそうになりました。
よく見ると、本物のドメインは「nikkei.com」なのに、このサイトは「euro-times.org」となっています。
偽サイトの記事の内容


記事を読むと、弘川真司とマツコ・デラックスが「マツコ会議」という番組で「Bitcoin Power」という仮想通貨ビットコインの取引サイトで大儲けできたと語り、日経ジャーナリストの永田裕美子氏が検証してもやはり儲けられたという趣旨が書かれています。


そして、その取引サイトの登録方法を解説して、最後に登録へ誘導する内容となっています。
弘川真司って一体誰なんでしょうか。架空の人物? そして何だこのおかしすぎる作り話は...?
日経新聞に見せかけた巧みな偽サイト
ドメインがnikkei.comではなく、新聞社がこんなデタラメな誘導記事を書くわけがないので、明らかに偽サイトです。
日経新聞の記事ページを丸ごとコピーして仮想通貨取引サイトの誘導記事に作り替えたようです。
大手新聞社や有名人を装って信用させようとする上、記事のストーリー(架空の話)がよく出来ており巧妙です。
さらに、この偽サイトは一定時間が経過するとアクセス不能になるよう設定されていました。
誘導リンクをクリックするとどうなるか

私が見た時点では仮想通貨取引サイトの誘導リンクをクリックしても真っ白な画面になり、何も表示されませんでした。間抜けな偽サイトですね。
また、誘導リンク以外のリンクはどれも機能しないよう設定されていました。
この偽サイトの誘導元
この日経新聞の偽サイトは他サイトから突然リダイレクトされて表示されました。
そのサイトに表示された広告にリダイレクトが仕掛けられた不正なものが混じっていたからと考えられます。
偽セキュリティー警告と誘導経路が同じです。
「システムは3つのウイルスに感染しています」などと表示する偽セキュリティー警告(偽警告)について
「Bitcoin Power」は詐欺サイト

私が見た時は日経新聞の偽サイトの誘導リンクが機能しなかったため、本当の誘導先は分かりませんが、おそらくこの「the-bitcoin-power.com」というサイトです。
海外のビットコインの取引サイトのようです。
Bitcoin Powerは現時点では日本語の情報が見当たりませんが、海外ではフィッシング詐欺サイトであるとの指摘があります。
Potencial Phishing Domains For 2020-12-23
つまり、Bitcoin Powerはおそらく詐欺サイトです。
このような得体の知れないサイトに絶対にクレジットカード番号や個人情報を入力してはいけません。
悪用されて金銭被害に繋がります。
読売新聞の偽サイトを発見

仮想通貨の取引サイトへ誘導する偽サイトは日経新聞を装ったものだけではありません。
さらに「読売新聞」を装った偽サイトを発見しました。
文章や画像や誘導先のサイトは異なりますが、仮想通貨の取引サイトへ誘導する文章なのは同じです。
つまり、日経新聞以外にもニュースサイトを装って仮想通貨の取引サイトへ誘導する偽サイトが何種類も存在しているのです。