水間鉄道 (以下 水鉄) は大阪府貝塚市の貝塚駅から水間観音駅の 5.5 km の路線を持つローカル私鉄です。
元々大正時代に水間寺の参拝客の輸送を目的に開業しました。
鉄道利用者の減少により一度経営破綻しましたが、グルメ杵屋が支援することで廃止を免れています。
最近はオリジナルヘッドマークや鉄道系 YouTuber 西園寺 氏が企画したドラマの制作など新しく PR 活動を行っています。
現在の車両は 1000 形で全て東急から譲渡された元東急初代 7000 系です。
2021 年から 2024 年に複数回沿線に来ているので、今回は撮影時期が違う写真がバラバラに混ざっています。
水鉄は線路沿いが殆ど住宅密集地であり、撮影地の選定がやりづらかったです。
貝塚市役所前~近義の里

貝塚~貝塚市役所前まで線路沿いの道を歩いてみましたが、踏切以外に車両が撮れそうな所が全くありませんでした。
駅の横側には田んぼがあり、かろうじて開けているのでここで撮れました。
水鉄の沿線の特徴が分かる写真。手前に近義の里駅、奥に大阪府と和歌山県の境界である和泉山脈が見えます。
近義の里~石才
ここで JR 阪和線と交差していますが交点に駅はありません。このため乗り換え駅は南海本線の貝塚駅だけです。
名越~森
沿線が住宅密集地だとはいえ正面撮影できる所を見つけました。
森~三ツ松
この辺りは建物が少なめなので開けた所がいくつかあります。
ある日、写真の畑の前の道路で一眼レフを持って準備していると、おじいさんが話しかけてきました。
このような場所に撮り鉄が来るのが珍しいからかな。
木島小学校 (写真左側の横長の建物) の近くに 90 年間ずっと住んでいて、朝は電車の音で目が覚めると話していました。
第二次大戦の頃のこともよく覚えているみたいです。
話に気を取られてしまい撮るのに 1 回失敗しましたが (失礼)、まあ良かったです。
水間観音駅
水鉄の車庫は水間観音駅にあります。
手前にあるのは、青森県にある弘南鉄道とコラボして互いに車両のカラー交換した車両です。
なので弘南鉄道のロゴが貼ってあります。
また、車庫には定期運用に入らない無塗装の東急 7000 系 (水鉄 7031F) が留置されていますが、この時間は後ろに入っていて見えませんでした。

水間観音駅の駅舎は水間寺をイメージしたデザインになっています。

左側のホームは乗降に全く使われていませんが、売店や装飾の屋根が設置されたりと活用されています。
十数年前まで青空状態だったのを覚えています。

使われていないホームの奥には、水鉄が現在の 1000 形を導入する前に使われていた水鉄 500 形が保存されています。
これは南海から譲渡された元南海 1201 形です。
一度再塗装されて綺麗になりましたが、塗装の劣化が激しくなっています。
南海の保存車両は解体されたり行方不明になったりと残り少なくなりましたが、これも数少ない南海の保存車両です。
水鉄の車両内:東急時代の名残

座席のシートや床のシートが張り替えられていますが、東急時代のスタイルを残しています。

吊革の広告には「Fashion Community 109 SHIBUYA」これは渋谷 109...
「ショッピング 夜 9 時まで お食事、喫茶 夜 10 時半まで」のバージョンも。
いつの時代なのだと思いましたが、平成初期以前の東急時代の広告で間違いないでしょう。
この車両が東京からやってきたことを実感させられました。
西園寺 氏がイベントを主催するなど PR 活動が行われたとはいえ、何事もなかったように変わっていないと感じます。